電車の中で僕は
約10年前の知り合いに出会った。
名前が思い出せない…。


彼の動きから
彼も僕の名前を
覚えていないということは
目にした瞬間にわかった。
リュークと死神の目を
取引するべきか
僕は一瞬迷った。


リュークとは僕についている
死神の名前だ。
死神は人間の顔を見ると
その人間の名前と寿命を見ることができる。
死神の目の取引をすると
自分の余命の半分と引き換えに
その力を手に入れることができる。


運が良いことに僕は彼に出会ったとき
携帯電話を操作していた。
一瞬で僕は思いついた。
そうだ、携帯電話のアドレス帳から
彼の名前を見つけ出せばよいのだ。
死神の目の取引をする必要はない。
しかし、なかなか出てこない。
カ行かタ行か、全然見つからない。
モリーから
削除してしまったのだろうか?
いや、それ以前に電話番号を
交換したという記憶だって
不確かではないか…。
まずい、先にデスノート
名前を書かれてしまう。
やはり目の取引をするべきか…。


しかし、僕は勝った。
僕は新世界の神となるのだ!


リューク「やっぱり人間って面白」


彼が僕の名前を思い出す前に
見つけた。
「Oさん…」


久しぶりに会って、昔話をした。
僕は今もまだデスノート
彼の名前を書いていない。






あ、半分、フィクションです。